東欧・中欧・北欧縦断の旅⑥【ハンガリー・ブダペスト 前編】
【ハンガリーの基本情報】
首都:ブダペスト
主要都市:ブダペスト
通貨:フォリント(Ft)
言語:ハンガリー語
人口:981万人(2016年)
ハンガリーといえば何を思い浮かべるだろうか。「ドナウの真珠」や「東欧のパリ」とも揶揄されるブダペストの街並みや夜景、フォアグラ、ワイン、果てしなく広がる草原地帯、温泉くらいだろうか。多くの日本人にとっては名前は知っていても、どこにあるのかはよく分からないマイナー国のひとつかもしれない。
今回、昔から人生で1度は訪れてみたかったハンガリーに5日間滞在した結果、ハンガリーは最高だったと自信をもって言える。どれだけ最高だったかというと、ヨーロッパで好きな国を挙げろと言われたら5本の指に入るレベル。いや、3本の指かもしれない。
ヨーロッパ屈指の夜景、1日3000円もあれば生活できる物価の安さ、治安の良さ、美味しいご飯、雰囲気のある街並み、無機質さと社会主義の香りが残る地下鉄、歴史のある豪華で巨大な建造物の数々。ブダペストの街を思い出すだけで心が躍る。
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ブダペストへはリュブリャナから電車で向かった。スロベニアで発症した風邪を引きずってはいたが、シートが硬いことに目を瞑れば、座席は空いていてそれなりに快適であった。
途中で何の説明もなく電車を降ろされ、バスに乗せられた挙句、少し先の駅でこれまた何の説明もなく放り出されたり、その駅から乗った電車で鼻水をすすっていたら、地元のおばさんにハンガリー語でまくしたてられた挙句、トイレットペーパーよりも遥かに硬いティッシュをもらったりと印象的なことがありつつも、無事ブダペストに到着。終わってみれば約9時間ほどの大移動であった。
ブダペスト南駅からは地下鉄に乗り換え、ドミトリーに向かった。スロベニアという西側のユーロ圏からの移動ということもあってだろうか、ブダペストはガラッと雰囲気が変わったのを肌で感じた。上手く言語化できないが、街が薄暗く、薄汚くなった気がした。スロベニアでは1回も目にすることがなかったホームレスも格段に増えた。
宿は市内の中心部に位置し、4泊で10,478Ft(約3,700円)。4人部屋だったのだが、初日以外は自分以外に誰もいなかったので非常に快適であった。
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ところで、ブダペストの地下鉄は非常に深い歴史をもっていることをご存知だろうか。世界ではロンドン、イスタンブールに次いで3番目に古く、1896年にハンガリー建国1000年を記念して作られたものである。中でもM1番線は世界遺産に登録されているそうだ。
そのM1番線は大都会ブダペストのすぐ真下を走る。地上からわずか数m、階段にして約20段ほどでホームに着く。地上からでも走れば10秒ほどで乗車することも可能だ。また、地上を歩いていても地下鉄がホームに到着した音がはっきりと聞こえた。
開業当時のハンガリー国王の名をとって「フランツ・ヨージェフ号」とも呼ばれる、この車両は4両ほどで、車内もとても狭く座席もありえないほど硬い。おまけにドアは人がいようがお構いなしで、信じられない勢いで閉まる。また、混雑時にはスリに要注意といったところ。
その一方で、その他のブダペストの路線(M2~M4番線)はものすごく深い所を走る。都営大江戸線を彷彿とさせられる感じ。こちらの車両はM1よりも広く、少しは近代的であったが、後に訪れることになる、同じく旧社会主義圏のベラルーシのように殺風景でどこか寂し気な暗い雰囲気だった。
そして、旧社会主義圏にありがちな異常なまでに早いエスカレーターの速度も健在。日本よりも明らかに早い。足腰が弱い老人や子供はもちろんだが、普通の大人でも足を乗せるタイミングを間違えてしまうと・・・想像しただけでも恐ろしい。日本の感覚では間違いなく足をもっていかれる。
ちなみにブダペストに数日滞在するなら、地下鉄乗り放題の切符がオススメ。24時間券、72時間券などがある。シングルチケットが350Ft(約125円)であるのに対して、72時間券でも4,150Ft(約1,500円)。なので、72時間以内に12回乗れば元が取れるという計算だ。僕は毎日10kmくらい歩くスタイルで街を回っていたけれど、歩き疲れた時、ちょっと出掛ける時などに乗っていただけで余裕で元を取ることができた。
また、使用開始時に打刻するだけでその後は特に手続きはないので楽。ブダペストから次の国に向かう電車の時間から逆算して打刻をしたので、ギリギリまでその甘い蜜を吸いつくすことが出来た。
改札がないことがほとんどのヨーロッパの地下鉄だが、この国も例外ではなかった。しかし、検札の回数が今まで経験したどのケースよりも異常に多かった。最初の2日間は検札に合うことがなかったので、切符買わなくて良かったかな~なんて邪な考えが浮かんだりもしたが、最後の3日間は改札(といってもゲートはない)に駅員がびっしりと立ち、まるで我々が犯罪者だとでも言わんばかりに(被害妄想)、有効な切符を所持しているかしっかりと確認していた。止められている人もたくさん見かけたので日頃から無賃乗車は多いのだと思う。そんな時も乗り放題切符はドヤ顔で改札を通過できる。(使用開始時の打刻をしてないと無効なので注意!)
今思えば、主にラッシュアワーや夜間に検札が多かったように感じる。きちんと切符は買いましょう。日本人として。いや、人として。
自動改札を作ることもせず、こんなに人件費と時間をかけてわざわざ検札をして、その効力も芳しくなく無賃乗車率が高そうなブダペストの地下鉄かわいいな~とか、採算は取れているのだろうか・・・とか、エスカレーターの事故とかないのだろうか・・・なんてこの国の地下鉄事情を心配しつつも、こんな小さな発見も面白く思える旅ってやっぱり最高だな~なんて考えたりした。
異常なまでに浅かったり、異常なまでに深いブダペストの地下鉄、なかなか興味深い。
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余談だが、今まで様々な国の地下鉄に乗ってきた。台湾、タイ、インド、スペイン、トルコ、イタリア、ポルトガル、チェコ、フランス、ベラルーシなどなど・・・
初めての都市ではなるべく地下鉄に乗るようにしている。システムも地理も言語もよく分からない中で試行錯誤して無事乗れた時や、一般論では治安があまり良くないとされる海外の地下鉄をクリアした時の快感は何物にも代え難いからだ。
なんて書いてみたが、安宿は辺鄙な所にある場合も多いので、乗らざるを得ないという状況も否めないのが事実だ。それでも現地の人を観察したり、その国の雰囲気を感じ取ることが出来るという意味で地下鉄はとても面白い交通手段だと思う。
そして世界の地下鉄一覧なんかを見ると、実に様々な国に地下鉄が走っていることにも驚かされたりする。
世界各国の地下鉄を乗り尽くしてみたい。(後編に続く)
【旅がしたい】
心から旅に出たい。
今住んでいる日本のど田舎で夕方、愉快な仲間と釣りをしながら水平線に沈む太陽やオレンジに輝く水面、雄大な山脈を見ている時、ふとそんなことを考える。
果てしなく広がる砂漠、満天の星空、壮大な海や森、渓谷、未知の食べ物や人々との出会い、混沌とした街並みや雑踏、うだるような暑さや刺さるような寒さ、唯一無二の建造物、雰囲気のある石畳の道、古い教会、日本では感じることが出来ない宗教観・・・
今の生活に不満があるわけではないし、社会人生活も捨てたもんじゃない。むしろ想像以上に楽しい。それでも、自分のことなんて誰も知らない異国を旅することでしか味わえないエネルギーが恋しくなる時もある。
今読んでいる途中の、日本を代表する冒険家である星野道夫の著書、『旅をする木』に非常に心に残る言葉があった。
”ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている。日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは天と地の差ほど大きい。”(旅をする木、もうひとつの時間より)
”一人だったことは、危険と背中合わせのスリルと、たくさんの人々との出会いを与え続けてくれた。その日その日の決断が、まるで台本のない物語を生きるように新しい出来事を展開させた。それは実に不思議なことでもあった。バスを一台乗り遅れることで、全く違う体験が待っているということ。人生とは、人の出会いとはつきつめればそういうことなのだろうが、旅はその姿をはっきりと見せてくれた。(中略)
世界の広さを知ったことは、自分を解放し、気持ちをホッとさせた。ぼくが暮らしているここだけが世界ではない。さまざまな人々が、それぞれの価値観をもち、遠い異国で自分と同じ一生を生きている。つまりその旅は、自分が育ち、今生きている世界を相対化して視る目を初めて与えてくれたのだ。それは大きなことだった。”(旅をする木、十六歳のときより)
行きたい国は数えきれないけど、今年の秋あたりにこの辺からどこか選んで行けたらいいな、なんて思っている。
・アルゼンチン
・ナミビア
ケープタウン、サファリ
・イラン
イスファハーン、テヘラン、危ないというイメージを覆す
・ロシア
大自然を味わう
ダッカでサバイブする
アダムスピーク登頂、シーギリヤロック
過去の旅についても忘れないうちに書いていきます。
東欧・中欧・北欧縦断の旅⑤【スロベニア・リュブリャナ】
【スロベニアの基本情報】
首都:リュブリャナ
主要都市:リュブリャナ、コペル
通貨:ユーロ
言語:スロベニア語(英語、ドイツ語も良く通じる)
人口:203万人(2008年)
クロアチアとイタリアに挟まれた小国、スロベニア。クロアチアから北上するにあたり、バルカン半島を経由するかスロベニアを通るかでかなり悩んだが、ボスニアやセルビア、アルバニア、モンテネグロは社会人になってからでも一気に周遊できそうだなと思い、後者を選択。
きっとここでスロベニアに行かなかったら一生行けない気がした。
シェンゲン協定に加盟していないクロアチアからシェンゲン協定加盟国のスロベニアへの移動となるので、出入国審査が電車で行われる。電車での出入国審査は初めてだ。
シェンゲン協定加盟国圏内の移動ではパスポートコントロールがなくて、スムーズな反面、国境を越えた実感が分かりにくくて寂しかったりする。スタンプももちろん押してもらえないし。
ザクレブからの直通列車で約2時間、首都のリュブリャナに到着。ここが本当に一国の首都であることが信じられないくらい閑散としていた。僕の田舎である地方都市が大都会に思えるくらいだ。
駅から歩いて15分ほど、旧市街にほど近いドミトリーを確保。2泊で33€。ユーロ圏は高いから早く抜け出したいと思いつつ、適当に街を散策。
一眼レフで撮った写真は容量が大きすぎるので、スマホで撮ったわずかな写真を少し。
治安はかなり良好で、危ないと思ったことは一度もなかった。
旅資金に余裕がある人は、川沿いに立ち並ぶレストランで時間を過ごすのも良いかもしれない。
宿に戻り、明日のことを考えていると、カルスト地形の語源にもなったと言われるクラス地方がスロベニアにあるという。ちょうど街並みにはとっくに飽きていたので、洞窟に行く手段を調べつつ時間を過ごした。お金と時間はかかりそうだが、なんとか日帰りで行けそうだ。
しかし、洞窟に行くことは実現しなかった。風邪を引いたのである。乾燥した空気と秋のヨーロッパの気温をなめていた天罰をここで食らうこととなってしまった。濡れた髪のまま、布団に入ったあの日の自分を許せない。
ところで、この宿自体は立地も良く清潔で申し分なかったのだが、同じ部屋にいたオランダから来たという2人組の男たち(10代と40代)が最悪だった。
部屋でプロレスもどきを開催し、イスを振り回す、バスルームのドアノブをぶっ壊すといった奇行にはじまり、深夜12時を過ぎてもイヤホンを付けずに、大音量の動画を見て信じられないくらいの大声で大爆笑しているのだ。2日目はさすがに注意して音量を下げさせたけども、それでもうるさかった。イヤホン付けろよな。
俺が誰にも迷惑をかけずに天罰食らったんだから、この2人にも死なないくらいの天罰が下ればいいのにな~なんて半分本気で思いながら、1日を過ごすこととなってしまった。
さらに最悪なことに、風邪を引いたのが日曜日だったのでスーパーは完全に閉まっていた。食材を買うことが出来ず、レストランも高いから行きたくない。24時間、水とコーラしか口に出来ず、ぶっ倒れそうな寸前で格安の飲食店を探し回り、チャーハンや麺類を扱うアジア系のお店までなんとかたどり着き、事無きを得た。
そこで食べた、ベチョベチョのチャーハン(洋画とか海外ドラマに良く出てくる紙の箱に入ったやつ)の味は忘れられない。身体全体に栄養が回っているのを感じた。大袈裟に聞こえるかもしれないけど、食の有難みをスロベニアで実感するとは思わなかった。
またいつか行けるといいな、スロベニア。特にクラス地方の洞窟のリベンジと港町コペル。
東欧・中欧・北欧縦断の旅④【クロアチア・プリトヴィツエ湖群国立公園】
プリトヴィツエ湖群国立公園は、透明なエメラルドグリーンの湖と大小無数の滝が作り出す光景で有名な自然公園である。1979年にはユネスコの世界自然遺産にも登録されている。
前日に天気が良いことを確認してからインターネットでバスのチケットを取った。
往復で106Kn。(約1800円)
朝の7時過ぎにザクレブのバスターミナルを出発し、田舎町に時々停まりながら進んでいく。約2時間ほどで到着。
入場料は学割料金で80Kn。(約1400円)
話は逸れるが、ヨーロッパに行くときは国際学生証を作っておくと凄くお得。多くの観光スポットで大幅な割引を受けることができる。マドリードにあるソフィア王妃芸術センター(ピカソのゲルニカがある)に至っては、無料で入れたりする優れもの。
夕方のバスまでかなり時間があるので、ゆっくり散策を開始する。
ここは上湖群と下湖群に分かれていて、ハイキングコースが何種類か設定されている。上湖群の方が時間はかかるが水の透明度が高く、観光客も少ない。また、1回までなら、遊覧船に乗って移動することもできる。遊覧船から見る景色も格別だった。
7、8月のハイシーズンは入場料金が大幅に値上げされるだけでなく、遊覧船に乗るのにも数時間待ったりするそうだ。幸い、10月に訪れたので混雑はそこまで感じなかったが、遊歩道はとても狭く、手すりがない所がほとんどのため、小学生の団体と鉢合わせると、湖に落ちないかヒヤヒヤした。また、帰りのバスも時間通りに来ない。20~30分は待ったと思う。
ハイシーズンに訪れる方は、滑りにくい靴&時間に余裕をもって訪れることをオススメしたい。
もう二度と見ることができない緑をしっかりこの目に焼き付けた。
東欧・中欧・北欧縦断の旅③【クロアチア・ザグレブ】
【クロアチアの基本情報】
首都:ザグレブ
通貨:クーナ(1クーナ=約16~17円)
言語:クロアチア語(英語も比較的通じる)
人口:約429万人(2011年)
クロアチアと言えば、FIFAワールドカップロシア大会で大きく知名度を上げた国。
今思えば、クロアチアに行こうと思った理由は特にない。輝くアドリア海、国旗がカッコイイ、ユーゴスラビア紛争などの民族問題・・・くらいのイメージしかなかった。
もともとハンガリーやチェコ、ポーランドに行こうと思っていたため、どうせならその周辺の国も行ってみるか!くらいの意気込みでスタート地点をザグレブにしたのだった。(失礼)
結論から言うと、クロアチアは想像以上に素晴らしい国だった。スペインの地方都市に近い雰囲気。穏やかな気候に加え、治安が良く、自然豊かでインフラ面も整っていた。人が多すぎないところも良い。でも美女は多い。
残念ながらザダル、スプリト、ドゥブロブニクは日程の都合で行くことができなかったため、もし次にヨーロッパに行くことがあるとしたら、クロアチア再訪を筆頭候補に入れたい。
お昼頃ザグレブの空港に着き、現地通貨を引き出した後、バスで市街地へ向かう。
一国の首都の空港とは思えないほどコンパクト。
30分ほどで市街地のバスターミナルに着き、宿を目指す。
初めての都市に着いて、大きなバックパックをもって宿に向かう瞬間が一番緊張する。
宿はバスターミナルから徒歩15分、中央駅まで徒歩5分とかなり好立地なところを選択した。ドミトリーで3泊27€と良心的な値段。
中央駅前もまた一国の首都とは思えないほどこじんまりとしている。
昼間はもちろんのこと、夜も治安の不安は全くなかった。ホームレスとか、物乞いやスリを生業としていると思われる移民をほとんど見かけなかった。
ザグレブでは主に以下の所を訪れた。
・聖マルコ教会
クロアチアのハイライトともいうべき場所。
・聖母被昇天大聖堂
右側の塔は今後永遠に工事中だそう。というのも、あの部分にはクロアチアでしか採れない特別な石を使っていて、それがもう枯渇してしまったのだとか・・・。
後日訪れた友達が言ってた。
・イェラチッチ総督広場
・石の門
・ザクレブ・アイ
入場料は1000円程と高いが、周囲に高い建造物がないので、ザグレブの街を一望できる。夕暮れの時間に行くのがオススメ。
・トミスラヴ王広場
・世界一短いケーブルカー
・失恋博物館
世界で唯一「別れ」を展示する博物館。思い出の品と共に、その品にまつわるエピソードが記載されている。受付で国籍を聞かれたので、「JAPAN!!」と言ったら、日本語訳の本を無料で貸してくれた。
例えばこんなのとか。
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一番気に入ったのはニューヨーカーのもの。
彼女はシンクタンク向けに広告を書いている「求む:考える人」。
僕は彼女が自分を呼んでいるような気がした。オープニングレクチャーでは、彼女だけが質問していた。僕は彼女を見た。彼女は振り返って、彼女のことを見つめている僕のことを見た。彼女の笑顔はキュートで、いたずらっ子のようで、歯がグレーだった。賢い僕らは、くだらない小話なんかで満足するはずがなかった。
(中略)
彼女はエネルギーに溢れ、ウィットに富んでいた。
町中の誰もが彼女のことを知っていたと思う。彼女はNGOを立ち上げたり、雑誌の編集をしたり、いろんな活動をしていて、大勢のプロダクトマネージャーや偉い人たちを知っていた。数か月後に彼女に会った時には、メジャーなニュース会社のデスクヘルパーを始めていた。それから間もなく、チーフプロデューサーとして紛争を扱うチームを率いた。
僕が海外の学校からオファーを貰った時、彼女も一緒に来てくれた。国を出る時、彼女はしこたま泣いた。まるでお母さんのお腹から出てきたばかりの、生まれたての赤ん坊みたいだった。彼女は途方に暮れているように見えたけれど、それは気のせいだった。
彼女は僕を世界に連れ出した。ニューヨークでは美術館に連れて行ってくれたし、たくさんのレストランにも、それからニューヨーカーの編集社にも行った。僕はと言えば、彼女にハグの仕方を教えてあげた。それはまるで炎をつかむようなこと。
僕は彼女が自分のだというフリをしていたに過ぎない。一緒に活躍の場を広げた。彼女と一緒にいると、知的な事への情熱と必要性を強く感じた。
僕は今、ニューヨーカーを読んでいる。こうすることで、デリー、ナイロビ、ロンドン、それとも世界のどこかにいる君と、同じ情報をまたひとつ共有できるという想いが僕を笑顔にさせる。
彼女と一緒に読んだ最後のニューヨーカーを送ります。
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他にも薬物中毒が原因で別れたカップルが使っていた注射器や妻の不倫を知り、妻が大切にしていた家具を壊すときに使った斧、自殺した母の遺書など、シリアスなものもありましたが、どこかクスッと笑えるエピソードも多く、楽しめました。
あとここには、Wifiがあったんだけれど、
Network: Brokenships
Password: just friends
ってのが気が利いて、面白かったな。
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必ず入手すると決めている国旗のワッペンとポストカードを探したり、スーパーに食材の買い出しに行ったり、ビールを飲んだり、同じ部屋の人と話したり、あてもなく散歩したり、次の宿や交通手段の確保をしたりなどして過ごした。
宿の中庭にて。
実は今回の旅で初めて自炊?と呼ばれるものをしてみた。レストランで優雅に食事を楽しむ人々を横目に安いパンを食べたり、パスタを茹でる日々。お金ないもんね。
クロアチア、住み良いな。今まで日本を離れて暮らすとしたらダントツでスペインだったけれど、クロアチアも候補に入れておこう。
ザグレブの夕方
一眼レフの写真のサイズを圧縮するのが面倒だったので、スマホの写真だけです・・・
2018年公開の面白かった映画ランキング
2018年は劇場・DVD・ストリーミング合わせて112本の映画を観ることができました。
その中でも2018年公開の面白かった映画ランキングを独断と偏見で発表したいと思います。(観逃したものも多々あります)
23位 レオン(日本)
飛行機でこれしかなかったので観ました。くそつまらなかったです。
22位 恋は雨上がりのように(日本)
小松菜奈を見るためだけの映画でした。
21位 グレイテストショーマン "The Greatest Showman"(アメリカ)
そもそもミュージカル映画が苦手でした。主人公がなぜここまでショーに執着するのか全く分からずじまいでした。
20位 プーと大人になった僕 "Christopher Robin"(アメリカ)
割と期待していましたが、残念でした。プーがワガママすぎて終始苛立ってしまいました・・・
何よりもTRAINSPOTTINGの頃の世界一カッコよかったユアン・マクレガーが年老いてて悲しくなりました。
19位 嘘を愛する女(日本)
18位 去年の冬、きみと別れ(日本)
こういう映画ってなかなか日本ではなかったような気がします。暇潰しにはいいんじゃないでしょうか。
17位 オーシャンズ8 "Ocean's Eight"(アメリカ)
オーシャンズシリーズは3作全部観てて、好きです。(特に11と12)でも今回は深いトリックや伏線回収もなく、ただただ犯行グループが犯罪をする様子を俯瞰してる感じでした。まあ、このシリーズって元々そういうのを楽しむ感じなので、複雑な展開を求めるのは野暮か。
16位 50回目のファーストキス(日本)
想像以上に良かったため、飛行機で2回くらい観ました。心が温かくなる映画です。山田孝之ってカッコいいですよね。ジャニーズみたいななよなよした俳優がこの映画に出てたらと思うとゾッとします。(過激派)
15位 万引き家族(日本)
是枝監督作品でパルムドールを受賞した話題作。なかなか見ごたえのある映画でした。同監督の『誰も知らない』を彷彿とさせられました。川の対岸に見える高層ビル群と主人公たちが住む古い家屋のコントラストが印象的でした。
14位 フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法 "The Florida Project"(アメリカ)
正直、もの凄く期待していました。というのも、高所得・夢といった華やかな世界を連想させるフロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルでその日暮らしの生活を営む母子にフォーカスを当ててるなんて社会派映画が大好きな僕にとってはたまらんのです。ポスターもめちゃめちゃおしゃれだし。
実際、子どもの視点で撮られたようなカメラワークや色使いはとても良かったし、登場人物のキャラクターも興味深いものでした。が、最後の終わり方はなんだあれ・・・急に違う世界に飛ばされてしまい、置いてけぼりになってしまいました。
13位 カメラを止めるな!(日本)
公開されてすぐ、友達におすすめされて観てきました。結論から言うと声を出して笑ってしまうくらい面白かったです。最初の30分くらいは苦痛ですが、その苦痛を味わわないと後半の面白さが全く分かりません。そうした脚本の構成的にも自分にとっては新鮮でした。低予算でもここまでできるってのも希望がありますよね。
12位 キングスマン:ゴールデン・サークル "Kingsman:The Golden Circle"(イギリス)
前作では自分の中の映画の概念をぶっ壊されました。本当に大好きな映画です。音楽と映像で遊びまくってる感にやられました。今作も前作ほどではないですが、存分にアクションと音楽の融合ぶりを楽しめました。多少残念な部分もありましたが、これはいい意味で頭を空っぽにして楽しむ映画なので、今となってはどうでもいいです。これも飛行機とか海外のバスでなんだかんだ3、4回くらいは観てます。
11位 レッドスパロー "Red Sparrow"(アメリカ)
これも楽しみにしていた映画です。次の日に最終面接がありましたが、気にせず劇場に足を運んでしまいました。手に汗握る心理戦のおかげで、存分に楽しめました。ただ、集中して観ていないと、アトミックブロンドなどと同様に何が何だか分からなくなってしまうので、要注意です。まあ、そういうとこも好きなんですけど。
10位 モリーズ・ゲーム "Molly's Game"(アメリカ)
ここからはベスト10。個人的に好きな女優ベスト5に入るジェシカ・チャスティンが出てるからといった理由だけで観ました。内容はほとんど忘れちゃったのですが、監督は絶対変態だと思います。ジェシカ・チャスティンと言えば、『ゼロ・ダーク・サーティ』、『女神の見えざる手』、『インターステラー』がめちゃめちゃおすすめです。
9位 ボストンストロング ダメな僕だから英雄になれた "Stronger"(アメリカ)
まだ記憶に新しい、ボストンマラソン爆弾テロをきっかけに人生が大きく変わった男の話。こういう演技でジェイク・ギレンホールの右に出る者はいないと思います。勇気を貰える映画でした。
8位 ラジオ・コバニ "Radio Kobani"(オランダ)
シリア北部のクルド人街、コバニが舞台。イスラム国からの占領が解けるも、激しい空爆の影響で瓦礫だらけの街。そんな中、ラジオで街を再興しようと試みる大学生の話です。瓦礫の中から生まれる一筋の希望に心が震えました。
7位 ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ "Sicario2"(アメリカ・イタリア)
人生ベスト20位には入る、大好きな映画『ボーダーライン』の続編。原題の"Sicario"はスペイン語で殺し屋という意味です。これがこのシリーズを楽しむ上での肝となります。邦題も悪くはないと思いますが・・・。
舞台は前作に引き続きアメリカとメキシコの国境付近の無法地帯。ただ、今回はアフリカなどもからめ、より世界情勢を意識している感じがします。前作に見劣りはするものの、音響を含めた緊張感は圧巻の一言です。
にしても、ベニチオ・デル・トロかっけー!将来はあんなオッサンになりたいです。アディオス!って言いながらトリガーを連打しているシーンが一番好きです。
6位 スリー・ビルボード "Three Billboards Outside Ebbing,Missouri"(アメリカ)
伏線の張り方や細かいところがすごく巧みでした。
5 孤狼の血(日本)
渋すぎる!こんなに邦画で食らったのは久々です。舞台は広島の架空都市で警察とヤクザ、特に警察の上司と部下の関係性にフォーカスが当たっています。役所広司は1週間くらい風呂に入らないで撮影したんじゃねえかぐらいの男臭さがありました。そんな名だたる俳優が揃う中、特に印象的だったのは松坂桃李。最後のシーンの彼のカッコよさは観た人としか話したくないくらいです。若手俳優の一人、という印象を良い意味で大きく覆されました。
4位 ボヘミアン・ラプソディー "Bohemian Rhapsody"(アメリカ・イギリス)
もはや説明不要。オープニングのカッコよさ+最後のスローモーションとともに流れる"Don't stop me now"で涙が出そうになりました。
3位 ラッカは静かに虐殺されている "City of Goasts"(アメリカ)
イスラム国に支配されたシリア北部の街、ラッカ。そんな悲惨なラッカの現状をSNSを通して世界へ拡散する市民ジャーナリスト集団、"RBSS"の活動を追う話。約1時間半ショッキングな映像が流れ続けます。まさに命を懸けたドキュメンタリーでした。
正直、この手の身体的障害・精神的障害を乗り越えました!みたいな映画ってたくさんあると思います。パッと思いつくものだと、『ソウルサーファー』、『Dear フランキー』、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』、『アイ・アム・サム』などなど・・・。
でもこの映画が他と大きく異なるのは主人公の周囲の人間の悩みにもしっかりと焦点を当てていること。つまり、見た目で分かるハンディキャップを背負ってなくたって、それぞれ悩みや苦悩はあるってことです。そういった意味でも周囲の人間ならではの苦労に時間をちゃんと割いてたのは良かったです。そこまでの展開の持っていきかたもオシャレ&スマートだったし。
王道っちゃ王道だけど、今までにない感じ。万人にオススメできる映画です。
全人類に観てほしい。
おすすめの映画などあれば教えて頂けると嬉しいです!
東欧・中欧・北欧縦断の旅② 【オススメのアプリ編】
今回は旅におすすめのアプリを7つ紹介していきたいと思います。
現代っ子バックパッカーならではのアプリです。これなしでは旅ができません。便利な時代になりました。
・Google map
自分は宿やカフェ、マクドナルドのおこぼれWi-fiのみで旅をしているので、これが生命線といっても過言ではない。意外と知られてないのだが、事前に行きたい地域の地図をダウンロードしておけば、オフラインでも使える。GPSで自分の位置も分かるので、道に迷うことはそうそうない。
たまに道で堂々とガイドブックや地図を広げている観光客の方々がいらっしゃる(ほとんど日本人)が、これの存在を教えてあげたい。あんなことしてたら、そりゃ軽犯罪の対象になるわな。「自分はこの土地のことを知らない仔羊でーす」なんて大声で宣言してるようなものだ。スマホで必要な時にだけサッと見て、いかにもここに住んでますよって雰囲気を出す。これ大事。逆に言えばガイドブックを広げていても何ら問題ない日本がどれだけ平和な国かってことも実感しちゃったりする。
また、行きたいスポットや宿の位置をピン留めしておけば、もはやガイドブックなんてものは過去の産物と化す。(ガイドブックめちゃめちゃ大好きだけど)
タクシーとか使うときも遠回りされてないか確認できる。
・MAPS.ME
Google mapと機能は同じ。Google mapが調子悪い時のためにこれも使ってる。
・Booking.com
予約を一括で管理できて、見やすい。高級ホテル~ドミトリーまでと種類も豊富。値段が安い順に検索出来るのも好き。次の目的地に行く2日前くらいに探し始める感じがちょうどいい。たま~に地図が間違ってるのと、全部の宿でクレジット決済ができるわけではないのが玉に瑕。
これも事前にダウンロードしておけばオフラインで使える。英語が通じない時とか現地の言葉でしか表記されてないものを読みたい時に。現地人との会話も誤訳で笑えたりするのでオススメ。
・Prime video
映画が大好きなので。いつも15本くらいダウンロードしていって、半分くらいは観る。海外に行ってからだとダウンロードできないので要注意。
・Trabee Pocket
旅の予算を管理できるアプリ。もちろん最新のレートで計算してくれる。今日は使いすぎたなーとか、まだまだ余裕だなーとか。お金を使ったらその場で記録してた。旅で使ったお金のことはまた後に書ければと思いますが、東ヨーロッパだと宿泊費、移動費込みで1日3000~4000円くらいが目標。お土産買ったり、観光たくさんした日は10000円くらいになってしまったことも。
・rail planner
ヨーロッパの鉄道の時刻表をオフラインで検索できる超優れもの。チケット売り場の人が英語通じない時もこれ見せるだけでいい。
あとはオフラインでも使えるゲームなどでしょうか。寒くて外に出たくない日や観光に飽きた時なんかは、1日中YouTubeとPrime videoをお供に宿に引きこもってました。海外に行って観光しないのは最高の贅沢だと思います。